平成30年度第2次補正
事業承継補助金事例集

【Ⅱ型】事業再編・事業統合支援型
株式会社光文堂

経営革新等に係る取組の標題

伝統工芸品熊野筆の生産性向上を図る新製造プロセスの開発

経営革新等に係る取組の内容

商品の新たな生産又は販売の方式の導入

●承継者は、筆の日本四大産地のひとつである広島県呉市川尻町で、主に川尻筆の技術を用いた胎毛筆の生産でシェアトップの企業である。一方、被承継者は、同じく日本四大産地のひとつである広島県安芸郡熊野町で、主に伝統的工芸品熊野筆、日本画筆、書筆、刷毛をOEM生産している熊野筆製造メーカーで、日本国内で販売されている日本画筆のほとんどが同社の製品であるが、後継者不在により廃業を考えていると事業承継の相談を受けた。
●被承継者の廃業は、熊野筆の衰退のみならず日本国内の筆産業、日本画筆の衰退につながるため、同じ四大産地の川尻筆メーカーとしては看過できない状況であった。また、デジタル化など時代の流れのなかで書筆の需要は年々減少傾向にあるが、主力である画筆と刷毛のシェアのほとんどを被承継者が占めているため安定した経営が見込めると判断して事業の承継を決意した。
●事業の承継にあたっては、デジタル化に伴う筆需要低下、人件費・原材料費の上昇、そして職人の高齢化など事業の継続が年々難しくなっていくなか、製造コストを抑えると同時に職人育成が急務であった。そこで、本補助金を活用して、新たに画像診断装置を導入し新製造プロセスを開発することで、職人の技量によってばらつきが発生していた筆品質の安定化と生産力の向上させる計画を立てた。また、この新たな製造プロセスによって職人の技量を補うことで通常10年程度かかる職人育成期間を短縮し育成コストを抑え、早期に会社の若返りを図り、競争力の強化を目指す。

  • 株式会社光文堂の経営革新等に係る取組
  • 株式会社光文堂の経営革新等に係る取組

地域経済やバリューチェーンへの貢献

①松月堂は、1946年から熊野筆を作り続け、常に熊野町の住人を雇用し続けている。
②原毛など所在地域内にて8割程度仕入れを行っている。
③熊野筆は、通商産業大臣による『伝統的工芸品』の指定を受けており、松月堂でも「熊野筆」統一ブランドマーク(商標登録 第4962731)の認定を受けた。
④日本国内にある書筆・画筆・刷毛等販売店への販売が主であり、域外販売の売り上げが8割以上を占めている。
⑤熊野筆伝統技術を活かしてスタジオジブリと共同でアニメ専用筆を開発しアニメ業界に貢献。平成21年第三回ものづくり日本大賞を受賞。

補助対象経費の内訳

人件費(2名雇用) 、設備費(画像診断装置、筆製作作業用集塵装置導入費)

認定経営革新等支援機関から受けたサポート内容

認定経営革新等支援機関の名称
熊野町商工会
  • 制度内容の理解
  • 事業計画の立案
  • 各種提出書類の作成
  • 補助事業の実施

事業承継後の業務引継ぎに対するアドバイスなどを頂き、円滑な業務引継ぎを行うに至った。また、被承継者である松月堂の人員若返りを図るために必要な人材のご紹介をいただき、直近の一年間で4名の新入社員を確保するに至った。さらに、当該事業承継補助金の帳票や資料の作成に関するご指導など手厚いフォローを頂いた。

基本情報

【承継者】

業種 製造業
事業所所在地 広島県呉市
資本金 10,000千円
従業員数 70名
承継者 株式会社光文堂 代表取締役 吉村 光雅
承継者年齢(※承継時) 67歳
承継前の主たる事業の内容 胎毛筆の製造販売、記念品・ギフト商品販売、理美容関連商品製造販売、輸入商品販売、他

【被承継者】

業種 製造業
事業所所在地 広島県安芸郡熊野町
資本金 10,000千円
従業員数 15名
被承継者 株式会社松月堂 代表取締役 西田 正美
被承継者年齢(※承継時) 73歳
承継前の主たる事業の内容 日本画筆・書筆・刷毛の製造

承継前の事業課題

承継者 毛筆事業拡大戦略
被承継者 特になし

事業課題解決のために

他に検討した手法は?

承継者 特になし
被承継者 特になし

なぜ事業承継を選択したか

承継者 被承継者が残されて来た技術の承継
被承継者 特になし

事業承継の実施

承継者と被承継者の関係 その他の親族外
事業承継を行った時期 2018年9月
事業承継の形態 株式譲渡

これから事業承継に取り組む事業者の方へ

承継者からのひと言コメント

①従業員の継続雇用、②財務内容の把握、③顧客管理の重要性、④事業の将来性、等を調査の上、実行すべきだと思います。

被承継者からのひと言コメント

逝去のため、コメントなし。

その他の詳細な情報も掲載したPDFファイルは以下よりダウンロードください。

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